福岡)浮世絵に感じた光 歌会始に糸島の瀬戸口さん

 来年1月に皇居・宮殿で開かれる「歌会始の儀」に、福岡県糸島市の元看護師瀬戸口真澄さん(65)が入選した。2万首を超す応募から選ばれた入選者10人のうち、九州からは瀬戸口さんだけ。「うれしいというよりびっくり。しばらく信じられませんでした」とはにかむ。 今回の題は「光」。瀬戸口さんは今年8月、福岡市博物館で開かれていた「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」を訪れた際、浮世絵に「暗い光」を感じた。その印象を記憶に刻み込み、思い出して詠んだ。「日本から出て、遠いボストンでこの絵は何をしていたんだろうと思いながら歌を作りました」と話す。 約30年前、俵万智さんの歌集「サラダ記念日」に触発されて短歌を始めた。通信講座で1年間、初歩を学んだ後、新聞の読者文芸欄に投稿するようになった。初掲載は1989年。以来、月2回ほどのペースで作品を出している。 身の回りの何げない日常を切り…

三重)伊賀忍者、ネットの普及で再評価

 今や世界の共通語になった「Ninja」。発祥の地に光を当てたのは「平成の神器」だった。 忍者姿の外国人観光客が城下町を歩き、街角には忍者の石像や看板が並ぶ。三重県伊賀市ではおなじみの光景になったが、「忍者の里」の地位が定まったのは平成になってからだ。 市中心部で茶屋を営む村井元治さん(65)は「忍者の末裔(まつえい)」を名乗り、店に忍者コレクションを並べる。「でも昔は、忍者は盗っ人のような姑息(こそく)なイメージがあって、忍者で売り出すなんてとんでもないと思っていた」。伊賀のシンボルといえば、「芭蕉さん」の名で市民に親しまれる伊賀出身の俳聖・松尾芭蕉だった。 忍者を観光の目玉に、と考えて…

独自のイルミ 各地でキラキラ

 自宅の派手な電飾(イルミネーション)で2001年ごろから全国的に有名になり、現在はそれを仕事にした石川智之さん(53)=さいたま市緑区=が、LED電球を使った独自の「キラキラ感」があるイルミネーションを考案した。この秋から冬、愛知県から福島県にかけて…

京都)伝統と新風 狂言師の茂山千五郎家

 一風変わった狂言の公演だった。 昨年11月の日曜日、京都市上京区の府民ホールアルティの舞台。 古典芸能の客席は通常、上演中の飲食、撮影、録音は禁止だ。だがこの公演では、観客は写真や動画を撮り放題。インスタグラムやツイッターといったSNSにアップしてもいい。演者の画像を加工するのも「大歓迎」という。 ヤブ医者が、天から落ちてきた…

和歌山)仙人風呂がオープン

 自然の川底に湧く温泉を利用した川湯温泉(田辺市本宮町)の「仙人風呂」が22日オープンし、地元の保育園児や観光客らが一番風呂を楽しんだ。温泉街に壊滅的な被害を及ぼした8月の台風20号の影響で例年より開始時期が3週間遅れ、風呂の大きさも3分の2だが、関係者は「仙人風呂を復興のシンボルにしたい」と意気込んでいる。 仙人風呂は熊野川支流の大塔川の一部をせき止め、湧き出す73度の湯に川の水を混ぜて適温にした期間限定の露天風呂。昨年度は6万5千人が利用した。 台風20号の際にはこの大塔川が氾濫(はんらん)。被害を受けた11軒の宿泊施設はそれぞれの復旧作業をしながら、協力して仙人風呂の準備を進めてきた。実行委員長の小淵誠さん(42)は「仙人風呂に多くの人にきてもらえれば僕らの励みになるし、復興につながる」と話す。経営する亀屋旅館も来年1月中~下旬に営業を再開できる見通しだという。 熊野本宮観光協会の会長代行、…

山口)大津緑洋、初戦で敗退 全国高校ラグビー

 第98回全国高校ラグビー大会が27日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開幕した。県代表の大津緑洋は新潟工(新潟)と対戦し、7―38で敗れた。 後半13分には、ゴール前の密集からフッカーの梶田侑志君(3年)が相手守備陣を突破してトライを決めた。梶田君は「フィジカルで差を感じた」。プロップの栢(かや)康太君(同)は「FWでやられて徐々に疲れがたまった」と振り返った。 中野泰幸監督は「しっかりと低く、複数でタックルしてくれた」。大きな相手選手に対し、奮闘したチームをねぎらった。■末次遥人主将が選手宣誓の大役…

茨城)「ばーちゃんがゴリラに」 認知症介護を漫画化

 認知症の祖父母を約7年間介護した茨城県古河市のフリーライター、青山ゆずこさん(33)が昨年、自身の体験を漫画にして出版した。祖父母の「暴走と妄想」に振り回された家族の日常を、コミカルなタッチで描いている。 タイトルは「ばーちゃんがゴリラになっちゃった。祖父母そろって認知症」。祖父母の故・佐藤利彦さんと故・キミさんを介護した7年間をまとめた。 青山さんが介護を始めたのは2…

広島)広島市教委、いじめ再発防止誓う 女子中学生自殺

 「いじめを積極的に認知する姿勢に欠けていた」。広島市佐伯区の市立中で女子生徒が転落死した問題を調査してきた第三者組織の最終報告書を受け、市教委の糸山隆教育長は28日、陳謝し再発防止を約束した。 報告書が「いじめが自殺の主な原因」としたことを受け、会見で糸山教育長は「すべての学校がいじめのない場所となるよう全力で取り組む」と述べた。第三者組織「市いじめ防止対策推進審議会」会長の林孝・広島大大学院教授も「今後も市の取り組みを検証し、提言していく」と話した。 一方、女子生徒が通っていた中学校長も会見を開き「いじめで命が失われたことを忘れず、いじめ防止に取り組む」と語った。 市立小中学校と高校で昨年度に…

石川)歩けよオトメ 地元っ子の生活に触れる旅

 「最近の韓屋村(ハノンマウル)ではチマ・チョゴリのレンタルが流行しているんですよ」。伝統家屋が残るエリアでとりどりのチマ・チョゴリが並ぶ店を眺めていると、案内のヤンさんに言われた。まさに「レンタル着物姿の観光客が多い金沢のひがし茶屋街」そっくりだ。「宿が少ないのでゲストハウスが増えて」とか「古い建物を宿泊施設にしたり」なんて、どこかできいたような話がちらほら。石垣あり、伝統的建物あり、市場あり、発酵食あり、おいしいごはんもお酒もあり。12月中旬に訪ねた韓国・全羅北道(チョルラプクド)の全州(チョンジュ)は金沢の姉妹都市でもあるが、よく似ていた。 夏に行った台南もそうだが、どちらも「歴史ある古い町並みとその地ならではの食文化」が売りだ。日本人向けの切り口なのか、はたまた世界的なブームなのか。いずれにしても、キーワードは「その土地や人にふれる」ってことじゃないかなあ。 全羅北道のツアーの幹事は、日本で出版企画会社を営む山下龍夫さん。もう30年韓国に通っている。20代前半に行ったはじめての韓国で地元のおじさんらと飲むことになり、3軒はしご。「すべてごちそうしてくれて、さらに別れ際、その格好じゃ寒いだろうとジャケットをくれた。以来すっかり韓国にハマりましたね」 私が12年前に『乙女の金沢』…

東京)昨年の救急出動、初の80万件超え

 東京消防庁の昨年1年間の救急出動件数は81万8100件(速報値)で、同庁が救急業務を始めた1936年以来、初めて80万件を超えた。前年より3万2916件多く、9年連続で最多を更新した。同庁が7日発表した。昨年1月下旬の大雪で転倒する人が相次いだことや、猛暑で熱中症になった人が続出したことが一因とみている。 発表では、搬送された72万6362人のうち、75歳以上が約4割の27万7995人にのぼった。社会の高齢化が進むにつれて、今後も救急要請の増加が予想されるという。一方、救急隊の現場到着までの平均時間は一昨年より17秒早い7分2秒で、同庁は新たに救急隊6隊を増やすなどしたためとみている。 ただ、救急搬送されても入院の必要がない「軽症」と診断された人の割合は54・5%で、近年横ばいの状態が続いている。同庁は、緊急性が低い出動要請が半数以上になっているとして、救急車を呼ぶかどうか迷った場合は救急相談センター(#7119)への電話を呼びかけている。24時間、年中無休で相談を受け付けている。(力丸祥子)