岐路の鉄路)自前の財源でJR支援へ

 JR北海道が「単独では維持困難」とする13線区のうち、存続方針の8線区について、高橋はるみ知事は24日、2019、20年度の2年間、沿線自治体とともに独自の財政支援を行う方針を明らかにした。知事が国に求めていた「地方財政措置による手当て」が見送られたため、各自治体が独自の財源からひねり出す。 JR北は宗谷線(名寄―稚内間)など8線区については、国や自治体の支援を前提に存続させる方針。国による直接支援とは別に、道や沿線自治体に対し、2年間で数十億円の支援を求めている。ただ、国による自治体支援はないため、各自治体ができる範囲でお金を出すことになった。 この日、道や国土交通省、自治体代表、JR北などが道庁で6者会議を開き、知事の方針を了承した。知事は「苦渋の決断だ。道、自治体ともに財政事情は厳しいが、早急に各自治体と協議して決めていきたい」と述べた。支援額や道と市町村との役割分担などは今後詰めるという。 国交省は今年7月、8線区への直接支援として、19、20年度の2年間で400億円超の財政支援を行うことを決めた。今月21日に閣議決定された19年度政府予算案には、約束通り200億円が計上されている。 こうした支援について、国交省は「(道や沿線)自治体の同水準の支援」を条件とし、地元に自助努力の「証し」を立てるよう要求。これに対し、高橋知事は、自治体財政が厳しいことを踏まえ、地方自治を担当する総務省に、地方財政措置を通じて自治体に財政支援するよう求めていた。 しかし、東京・永田町では「北海道だけ特別扱いするのはおかしい」(道外選出の国会議員)という声が根強く、道と国の協議で、支援スキームをまとめることはできなかった。 このため、知事は19年度からの2年間、自治体が自前の財源で支援する方針に切り替えた。国のJR北への財政支援は20年度までの時限措置であり、21年度以降も支援を続けるには、旧国鉄債務処理法の改正が必要。知事は6者会議で、国に対し、新たな改正案には、面積が広い北海道特有の事情を盛り込むよう求め、国は検討を約束した。 会議では、沿線自治体などから「国の監督下にあるJR北に対し地域が支援する法的根拠がない」「地域がJR北への費用負担を行う責任が当然あるといった前提で、国と地域の負担割合の議論を行うこと自体がおかしい」などといった不満が噴出した。 これに対し、国交省の蒲生篤実・鉄道局長は、地域公共交通活性化再生法を引き合いに出し「地域の公共交通の再生に努めなければならないのは都道府県や市町村と定めている」と一蹴。地域の公共交通のあり方を決めるのは、自治体の責務だと強調した。 JR北の島田修社長は道や自治体の支援について「英断で、深く感謝したい。徹底した経営努力を行い、2年間で目に見える成果をあげたい」と述べた。 (斎藤徹、伊沢健司)・国と地域は引き続き議論を継続・地域は、維持困難線区を維持する仕組みを検討する場を設け、2021年の法改正も視野に、検討・協議する・国は、JR北と地域の着実な取り組みを前提として、21年度以降の国の支援を継続するため、所要の法律案を国会に提出することを検討する・地域は、19、20年度において、利便性や快適性の向上など、利用促進に資する緊急かつ臨時の支援を行うべく、協議する

兵庫)東京―神戸で20時間 130年前の鉄路の旅は?

 2019年は、東京(新橋)―神戸が鉄路でつながってから130周年となる。当時の汽車の旅はどんなものだったのだろうか。残された資料や専門家の助言を参考に、そのころの神戸駅(神戸停車場)に到着した乗客への「インタビュー」形式で、車内の様子の再現を試みた。20時間以上にも及ぶ鉄道の旅、現代とは大きく様相が異なるようだ。 ――これが神戸停車場! 西洋風のれんが造りでおしゃれだろう。神戸市民の誇りだよ。初代停車場もれんが造りだったけれど、平屋だった。この駅舎は今年(明治22年)完成したばかりの2代目なんだが、2階建てで、いや重厚だねえ。 ――あなたはどなた? 呉服店を営んでいる権三郎とい…

徳島)日本画の体験教室、20人が「もみ紙」技法学ぶ

 徳島市寺島本町西1丁目のそごう徳島店で開催中の「春の院展 徳島展」に合わせた日本画体験教室が28日、同店であった。 院展に出品している徳島市出身の日本画家、芝康弘さん(48)=愛知県春日井市=を講師に、高校生や親子ら20人が「もみ紙」の技法を使ったしおりづくりに挑んだ。岩絵の具をニカワで溶いて作った5色の絵の具で縦15センチ、横20センチの和紙に思い思いの模様を描いた。乾かした和紙に重ね塗りをして、再び乾かしてもむと、下塗りした色が浮かび上がった。 名西高芸術科1年の濱部何日花(いつか)さん(16)は「最初に塗った時と違う色あいの作品になるのが楽しい」と話していた。(福家司)

観光列車、復興願い出発進行!

 復興に向け出発進行――。胆振東部地震からの復興を道外にPRする臨時観光列車「復興クリスマストレイン」が24日、道北の鉄路を走った。海外からの観光客に加え、地震で被災した子どもたちも乗り込み、冬の鉄道旅を楽しんだ…

福岡)「ガラスの仮面展」、博多阪急で開幕 作者も来場

 演劇漫画の金字塔「ガラスの仮面」の連載40周年を記念した原画展(朝日新聞社主催、美内すずえ事務所〈プロダクションベルスタジオ〉特別協力、白泉社協力)が27日、福岡市博多区の博多阪急で始まった。 会場には作者の美内すずえさんも姿を現し、「立体的な展示で物語が迫るような感じ。入り口も劇場仕様で楽しいのでぜひ見にいらしてほしい」と話した。 会場を入ると、すぐに連載1回目の冒頭シーンの原画が展示されている。主人公の北島マヤがセーラー服姿で駆けてくる場面で、美内さんは「24歳のときのがむしゃらさと気迫が出ている。いま見ると雑ですが、一生懸命だったんですね」と振り返った。 マヤや姫川亜弓ら主要な登場人…

広島)「記憶」埋もれさせない 小屋浦の原爆慰霊碑

 海沿いを走るJR呉線の小屋浦駅(広島県坂町)近くに、原爆慰霊碑がひっそりと立つ。今月15日、この町に住む西谷敏樹さん(73)が地域住民ら12人とともに、落ち葉を拾い、碑に手を合わせた。 集まったのは、「原爆慰霊碑を守る会」のメンバーたち。碑を管理してきた「坂町原爆被害者の会小屋浦支部」が高齢化を理由に7月末に解散したことを受け、西谷さんを代表にして9月にできた。 会の解散が決まっていた7月6日、西日本豪雨が小屋浦も襲った。15人が死亡、1人が行方不明に。原爆慰霊碑も、崩れた裏山の土砂に埋まった。西谷さんは、碑の存在すら知らない住民がいるという現実を知った。 原爆投下後、爆心地から10キ…

愛知)高校生に「あてがき」脚本の劇、豊橋で11月上演

 愛知県豊橋市の「穂の国とよはし芸術劇場PLAT」は、高校に通う年代の若者とプロの演出家が演劇作品を作り上げる企画を2014年から続けている。5回目の今年は、出演する12人をイメージして書き上げられたオリジナル脚本に挑む。出演者は11月の公演へ向け、連日稽古を続けている。 2318年、人類が地球に住むことができるのはあと70年と言われ、特権階級や才能がある人は火星へ移住した時代。最後の世代と呼ばれる15歳から18歳までの12人は、地球にある高校に通っている。5人が先行して月への修学旅行へ出かけたある日、地球に残った7人との交信が突然、途絶える――。 脚本家・演出家の須貝英さん(33)が書き上げた「滅びの子らに星の祈りを」はこんなSF設定の物語だ。「高校生が日常で感じている劣等感や悩みは、どの世代にも共通するはず。揺らいでいるゆえに成長する姿を描きたかった」と話す。 5月にオーディションを開き、…

89歳夫婦、発明で喧嘩減る 妻は補聴器、夫は安眠装置

 89歳の「発明家」夫婦が長崎市にいる。妻は自分にあった「補聴器」を、睡眠不足の夫は「安眠装置」を作り、長崎県発明協会のコンテストで入賞。おかげで、夫婦げんかが減ったという。 松本幸子(さちこ)さんと晃さん。晃さんは旧制中学3年のころ、学徒動員で潜水艦の建設で使う工具の修理をしたことから機械に興味を持った。テレビ局の技術者になってからも趣味で発明を続け、これまで50以上の賞を受賞したという。 幸子さんは晃さんの表彰式についていくうち、引き込まれた。日常生活でちょっとした不便さを感じると晃さんに相談し、30年ほど前から晃さんの助けを借りながら「発明」をしている。 県発明協会が主催する今年度の「県発明くふう展」で、幸子さんの「対話補聴器」が最優秀賞を受賞。送信機がついたマイクを相手の胸元にクリップでとめ、音声が無線で自分のイヤホンに届く仕組みだ。 きっかけは半年前。晃さんとの会話が聞こえにくくなった。普通の補聴器をつけたが、水道管を流れる水や外を走るバイクの音がやけにうるさく聞こえた。相手の声だけがよく届く補聴器の「開発」に乗り出した。 晃さんは「安眠装置」で優良賞を受け、21日に長崎県大村市であった表彰式に、2人で参加した。 趣味の発明に熱中するあまり、深夜に眠りに就くことも多く、医師から「普通の生活を」と助言された晃さん。安眠装置は左右二つのスピーカーから雨音などの効果音と静かなメロディーがそれぞれ流れ、眠気を誘う。尿漏れを検知するセンサーもついている。最近は睡眠時間が増え、「気持ちが落ち着いて夫婦げんかが減りました」と話す。 一方、幸子さんが作った補聴器は、2人のコミュニケーションを円滑にした。「私も言いたいことがちゃんと言えるようになったからね。本当に怒ったら、聞こえないふりするけど」 来年、そろって90歳になる2人。「こがんとがあったらいいね、っていうものを、まだまだ作っていきたい」。そう口をそろえた。(横山輝)

岡山)福袋の準備、着々と 岡山市の百貨店

 正月の楽しみのひとつ「初売り」で販売される福袋。岡山市内の百貨店でも体験型や「2019年」にちなんだものなど、多様な福袋の準備が進められている。 天満屋岡山店(北区表町2丁目)では2万1千個を準備し、初売りに備える。「HAPPY福袋」と題した体験型は抽選で、すでに受け付けが始まっている。目玉は2019年8月に実施される東京への歌舞伎観劇ツアー。創業190周年を記念したもので、1人19万円(1組2人38万円)。日比谷の外資系高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」のデラックスツインルームに宿泊し、市川中車(香川照之)さんらが出演する舞台を歌舞伎座で観劇する。専用車での空港送迎などがつく。 このほか瀬戸大橋上空を飛行する「遊覧飛行」(1組3人)、小学生向けの同店案内係体験、テニススクール(12回)はいずれも2019円。ゴルフ1ラウンド1組4人3万円は恒例の人気福袋で、申込書を書いていた市内の70歳代の夫婦は「毎年、申し込んでいますが、一度も当たったことがありません。今年こそはと願っています」と言いながら応募箱に用紙を入れていた。 岡山高島屋(同区本町)でも袋…

滋賀)真剣勝負にファン熱視線 競技かるた

 小倉百人一首競技かるたの第65期名人位、第63期クイーン位決定戦の競技会場となった大津市の近江神宮・近江勧学館には5日、全国各地からファンらが集い、会場内外で勝負の行方を見守った。 主催の全日本かるた協会によると、競技会場は各回戦で約40人の定員に対し、5回戦で計延べ1532人(前年比403人増)の応募があったという。ファンらは競技会場や館内の解説室のほか、近江神宮内に設置された中継映像を通して見入っていた。 和歌山県有田市から訪れた中学2年岡田実桜(まお)さん(13)は母の亜紀さん(38)と1回戦を競技会場で観戦した。実桜さんは小学6年から趣味でかるたを始め、名人位・クイーン位決定戦の観戦は初めて。クイーン位では1回戦から札が両陣とも残り1枚となる「運命戦」になり、「緊張感があり、すごかった」と実桜さん。「クイーン戦に出たいと思った。練習します」と笑顔を見せた。(真田嶺)