三重)芭蕉さんの文芸・俳諧の連歌展 勉強会もスタート

 伊賀出身の俳聖・松尾芭蕉が生涯をかけて取り組んだ文芸「俳諧の連歌(連句)」を紹介する企画展「芭蕉さんの文芸・俳諧の連歌」が、三重県伊賀市柘植町の柘植歴史民俗資料館で開かれている。今年は芭蕉生誕375年にあたり、企画した梅田徹さん(90)=野村=は「俳句ではなく、当時の文芸の中心だった連句を芭蕉さんの郷里で再興したい」と話している。4月14日まで(月曜休館)、入場無料。 連句は、複数の人が長句(五七五)と短句(七七)を交互に詠む共同制作の文芸形態。36句連ねた作品は「歌仙」と呼ばれる。 梅田さんは1945年に入校した海軍兵学校針尾分校(長崎県)で、伊賀出身の芭蕉研究家・富山奏氏に終戦までの半年間学んだ。62年後、本格的に芭蕉研究を始めようと公民館の講座に入り、講師だった富山氏と再会。その恩師が2009年に亡くなるまで連句再興を願っていた思いを継ぎ、「翁の里で蕉風俳諧を継承し普及する会」の世話人として連句の普及活動を続けている。 会場には、連句普及のため伊賀…

福岡)AI搭載車いす「社会で活用試す段階に」 久工大

 人工知能(AI)を搭載し、行き先を告げると目的地まで自動運転する電動車いすの開発に取り組む久留米工大の東大輔教授らの研究グループが11日、久留米市役所を訪れ、実演で最新の研究成果を披露した。 大久保勉市長が試作機に試乗。車いすに搭載された対話ロボット「Sota」に行き先を話しかけると、車いすは時速約2キロで動きだした。事前登録した地図をもとに目的地を定め、廊下を曲がりドアを抜けて十数メートル先まで無事到着した。 開発プロジェクトは2015年11月、東教授らが学内に研究所を設けて始まった。音声認識技術を研究・開発するコンピュータサイエンス研究所(北九州市)や電動車いすベンチャーの「WHILL」(横浜市)などが協力。17年8月には、カメラと全地球測位システム(GPS)で空間を把握して自動的に動く車いすを開発、発表した。 その後の商店街での実証実験で…

福井)敦賀の旧北陸線・疋田駅跡に駅名標 住民らが設置

 福井県敦賀市疋田に残る旧北陸線・柳ケ瀬線の疋田駅のホーム跡に、昔をしのばせる駅名標が設置された。地元の疋田区が、住民が保存していた写真をもとに再現した。 駅名標は高さ約2メートル、幅約1・65メートル。表に「ひきだ」の駅名、裏に駅と柳ケ瀬線の歩みを記した。 疋田駅は金ケ崎(現在の敦賀市)―長浜(滋賀県長浜市)間の駅として1882年にできた。敦賀の市街地や滋賀県の湖北地方への通勤・通学、米などの物資の輸送に利用された。1957年の北陸線のルート変更に伴って、木ノ本(長浜市)―敦賀間を結ぶローカル線(柳ケ瀬線)の駅になったが、64年に廃線になった。 疋田駅があった場所にはホームの石積みの一部が残っており、鉄道ファンらが訪れるスポットの一つになっている。 区長の前川豊さん(69)は、子どもの頃に見た蒸気機関車(SL)の雄姿と、汽笛の響きを覚えている。「地区をSLが走っていたことを知る人も少なくなった。鉄道の歴史を後世に残したい」と話している。(八百板一平)

富山)牛の人工授精、高校生の手で 中央農業高生が成功

 中央農業高(富山市東福沢)で昨年12月、生徒が人工授精させた牛が初めて生まれた。同校によると、高校生の手による人工授精で牛が生まれたのは全国でも珍しいという。来月以降、さらに数頭、生徒が授精させた牛が生まれる予定。 同校は北陸で唯一、牛の肥育を手がけ、生物生産科動物科学コースで牛を専攻する2、3年生が世話をする。牛の人工授精はこれまで、「家畜人工授精師」の国家資格を持つ教員が行ってきた。 この資格は、県が開く講習会で座学と実習、試験を受けて取得できる。講習会はおよそ10年に1度、まとまった受講者が見込める時に開かれる。 同校3年の佐野隼平さん(17…

内縁の妻? 太宰治、高校時代のノートに相合い傘の男女

 作家太宰治が旧制弘前高校2年在学時に使った化学のノートが、青森県近代文学館(青森市)で開催中の企画展「太宰治没後70年 秘蔵資料大公開」で展示されている。専門家たちが注目するのが、傘の下で肩を寄せ合う男女の落書き。女性は太宰が高校時代に出会ったとされる内縁の妻、小山(おやま)初代の可能性が高いといい、「二人の関係と作品への影響を知る上で貴重な資料」と専門家はみる。 ノートは表紙に太宰の本名が「津島修治」と記され、約130ページ。表紙に「二」の文字があることから、旧制弘前高校の2年生だった1928年に使われたものとされる。県近代文学館が所蔵し、普段は非公開だが、今回約10年ぶりに公開された。 元素記号や化学反応式がびっし…

和歌山)「祝合格クッキー」は試練の先にある春の味

 「お早めにお召し上がりを」というのが菓子の決まり文句だが、これはひと味違う。すぐ食べられることはなく、勉強机に気長に鎮座。口に入るのは「春」の吉報が届いてからだ。 絵馬の形に合格祈願の文字。受験生への贈り物として人気だ。クッキーの生地に卵白や砂糖などでできたクリームを塗り、字や絵を描く「アイシングクッキー」の製法。キャンバスの役割のクリームは雪のように白く、チョコ色の文字が映える。 厚さ約0・8センチ。「硬すぎず、でも何より割れにくく。験担ぎですから」と店主の橋本憲司さん(44)。見た目もどっしり。「底辺と高さの比率は8対5です」。建築物の設計などにも用いられる黄金比で安定感があるとされる。 一つ130円(税込み)。販売…

署で殺人? アイドル「捜査」で110番の日PR

 埼玉県坂戸市の西入間署内で「殺人事件」が発生。アイドルグループ「いちごみるく色に染まりたい。」の5人が捜査に乗り出した――。9日、こんな設定で「110番の日」(10日)をPRする同署のキャンペーンがあった。5人は聞き込み先で110番通報の正しい利用を呼びかけ、「捜査」の模様を自身のツイッターで配信した。 5人が一日署長に委嘱された直後、署員扮する会社社長が死んでいるのを発見。机の上には遺書が。しかし刑事のアドバイスで自殺を装った殺人と見抜き、秘書らから情報を聴いた。 ヒントを得て向かった坂戸市役所で「いたずら電話はやめましょう」と訴えた後、市幹部から副社長が架空事業で市に1500万円を振り込ませたと聞き込んだ。東武坂戸駅で、副社長らしい男が東上線で逃げたとの情報を得て、若葉駅前の商業施設で発見した。 「キャンペーンに影響力を持たせたい」と、署が所属事務所や市などに協力を求めて初めて実現。グループのリーダー鈴丸すうさん(20)は「ドラマを見ているのとは違い、臨場感があって面白かった半面、捜査って難しいと思いました」と話した。(西堀岳路)

滋賀)おごと温泉の宿泊客堅調 インバウンド客が急増

 琵琶湖西岸のおごと温泉(大津市)の宿泊客数が堅調だ。京都を訪れる外国人観光客の宿泊需要が依然として高く、その「恩恵」にあずかっていることが大きな要因という。温泉側もこうした需要を取り逃がすまいと、あれこれ工夫を凝らしている。 おごと温泉は約1200年前に比叡山延暦寺の開祖、最澄が開いたとされ、大正時代に旅館が開業した。半世紀前には約30の旅館やホテルがあったが、後継者不足などで、現在の宿泊施設は9軒と減っている。 だが、宿泊客数は増加傾向にある。地元のおごと温泉観光協会によると、2017年の宿泊客数は約47万人で、07年比で10%ほど増加した。日帰りの利用客も11%伸びている。旅館はリニューアルで客室を増やすなどして対応している。 好調なのは底堅い京都の観光需…

千葉)大型マンションの認可保育園、居住者優先 千葉市

 千葉市は、大規模マンション内に保育所を設置する場合、居住者が優先的に入所できるようにする制度を新たにつくった。子育て世帯が急増するなか、大規模マンションが新設された地域の保育所が「激戦区」になることを避ける狙いで、適用の第1号となる保育所が4月に開所する。こうした認可保育所の設置は首都圏では珍しいという。 同市美浜区の若葉地区で開発が進む「幕張ベイパーク」内に設置される「(仮称)京進のほいくえんHOPPA幕張ベイパーク」(定員計70人)。パーク全体の開発面積は約17・5ヘクタールで、タワーマンション6棟を建設する計画を進めている。1棟目は既に完成しており、3月に入居が始まる。 市は昨年10月、マンション内への保育所設置が進むように、居住者が優先入所できるようにする制度を策定。入居者や入居予定者は保護者が共働きしているなど保育の要件を満たせば、勤務時間など就労の状況に関係なく優先的に入所できるという。制度は500戸以上のマンションを建設する際に適用となり、幕張ベイパークが第1号となった。1次募集が締め切られた昨年末の時点で「マンションへの入居予定者の申し込みが多い」(市幼保支援課)という。 市によると、これまでも大規模…

愛媛)豪雨被災の酒蔵で新酒造り始まる 大洲・養老酒造

 昨年7月の西日本豪雨で浸水被害を受けた愛媛県大洲市肱川町の酒造会社・養老酒造が16日、新酒造りを始めた。被災した蔵2棟と自宅は解体し、残った作業場と蔵1棟で取り組む。機材のほとんどは入れ替えた。20代の長男も松山から戻り、作業に加わった。 同社は1921(大正10)年創業。3代目の山内光郎社長(57)は杜氏(とうじ)を兼ねる。肱川にある鹿野川ダムの近くにあり、昨年7月7日朝に洪水が押し寄せた。山内さんや妻の正代さん(54)らは、親族の結婚式出席で松山空港へと向かっていて命は無事だった。 山内さんは水がひいた作業場に立った。機材は散乱し、埋め込んでいた大きな釜も洪水で浮いたのか、床に転がっていた。「もう(酒造りは)無理かな」と思ったが、ボランティアの人たちが片付けを手伝ったくれた姿を見て、「自分もがんばらないといけない」と前を向いた。 16日の新酒造り初日は長男の…