鳥取)米子東、「明るい未来」達成へシート作成

 これまで春夏合わせて21回の甲子園出場を誇る米子東。1960年の第32回選抜大会では決勝まで進み、日本一にあと一歩のところまで迫った。強さだけでなく相手チームを重んじる品位を兼ね備えたプレーは「米東(べいとう)野球」として多くの高校野球ファンを魅了してきた。 だが、そんな山陰随一の名門も私立の強豪が台頭し始めるとともに不振に陥っていった。勝てない時代が続き、若草色の胸文字をあしらった純白のユニホームは96年の選抜出場を最後に甲子園のグラウンドから姿を消した。 紙本庸由教諭(37)が監督に就任した2013年秋。かつての伝統校は、気が付けば夏の県大会で、初戦負けが6年も続いていた。     ◇ 自身もかつて、その強さに憧れて同校へ進学した米子東の野球部員だった。だが、選手として甲子園の土を踏むことはなかった。念願の同校監督への打診は突然舞い込んだ。迷いもあったが、憧れのユニホームに再び袖を通し、甲子園を目指すと決めた。 紙本監督がまず取り組んだのが選手個々の自主性を育むことだった。負けが続いていたとはいえ、選手に力がないとは思わなかった。 「自分で考えて練習に向かってもらうには、確かな手順を踏むことが大事」と、様々な分野の専門家や他校の指導について出向いて勉強し、独自の目標設定のためのシートを作成した。シートには今の自分が最も達成したい目標を設定し、その目標を達成するために細分化した要素をどんどん書いていく。さらに、それを達成することで何が得られるのかを記入する。 例えば、「甲子園でノーエラー、ホームラン」と書かれた福島悠高選手(2年)の目標設定シートには、その成果として「仲間と抱き合って喜ぶことができる」「スタンドで喜ぶ家族や地域の人の姿を見ることができる」など、考えられる明るい未来がびっしりと書きつづられている。福島選手は「目的意識をより具体的に持つことで、自分で考えて取り組む癖がついた」と話す。     ◇ 指導の成果は結果として表れた。監督に就任した翌年の夏、長年続いた初戦負けの連鎖を断ち切ると23年ぶりに4強入り、その秋には県大会を勝ち抜き、10年ぶりに秋の中国大会進出を決めた。17年には夏の鳥取大会で決勝まで進んだ。 周囲の野球部に対する視線が「どうせ今年もだめだろう」から、「そろそろいくかもしれない」、そんな追い風に変わってきたことを紙本監督も感じ始めていた。     ◇ 第91回選抜高校野球大会は15日に組み合わせ抽選会があり、23日に開幕する。(矢田文)

京都)ストリートダンス世界一 京都明徳高校ダンス部

 来年で創部20年を迎える京都明徳高校(西京区)のダンス部は3月、高校生のストリートダンス世界大会で、ヒップホップ部門の頂点に立った。部員は男女75人。強豪として知られるようになったのは、この10年ほどのことだ。指導する教諭はもともとダンス経験なし。生徒たちと一緒に手探りで練習してきた。 保健体育教諭の岩倉真紀子さん(45)は2000年に顧問に就いた。それまではソフトボール部の監督。ダンス部の顧問が退職することになり、「なり手がいなくて断れなかった」と振り返る。 結果を出そうと生活指導も含めて厳しくすると、2カ月の間に半数近くが退部してしまった。残った10人弱と2年かけて、ステップの基礎を独学で練習した。 自ら考えることが上達につなが…

鹿児島)大汝牟遅神社で豊作祈願の「たじまどん」

 鹿児島県日置市吹上町の大汝牟遅(おおなむち)神社で10日、秋の豊作を祈願する伝統行事「たじまどん」があった。境内の一画を田んぼに見立て、田植え作業の様子を滑稽に演じる田園劇が披露された。 田植えの季節を前に、各地で繰り広げられる農耕神事のお田植え祭りの一つ。 住民5人が農夫や牛などに扮し、田おこしや「代かき」などの所作を演じた。農夫役の一人が青い帽子にマスクと反射ベストをつけて「ゴーンです」と名乗ったり、暴れだす牛に「この牛、半端ねえ」と叫んだりし、参拝客を喜ばせた。無病息災を願い、「トッノコ」と呼ばれる縁起物の小さなおにぎりも配られた。 演じ終えた5人は「無事に田植…

大阪)選抜出場の履正社が甲子園練習 グラウンド確認

 第91回選抜高校野球大会に出場する履正社(豊中市)の選手たちが18日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で公式練習に臨んだ。球場の雰囲気や土の感触を確かめながら、グラウンドを元気に動き回った。 時間は30分間で、守備と打撃を練習。最初に打席に立った主将で捕手の野口海音(みのん)君(3年)は、左翼の外野席に打球を放って、観客からどよめきが起きた。「しっかり球が飛んでうれしかった。この広さをイメージして練習したい」と気を引き締めた。 センターに鋭い打球を放ったのは、三塁手で中軸を担う小深田大地君(2年)。「甲子園は小学生の時から行きたいと思っていた場所。広くて楽しかった。土が固いなと感じたので、足をしっかり土にかませるようにしたい」と話した。 履正社は開幕日の第3試合(23日午後3時半試合開始予定)で星稜(石川)と対戦する。(吉村治彦)

石川)星稜、初日に履正社と 優勝候補同士の対決に

 第91回選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が15日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールであった。石川県勢で北信越代表の星稜は、大会初日の第3試合(23日午後3時半開始予定)で近畿代表の履正社(大阪)と対戦することが決まった。優勝候補同士の一戦となる。 「当たっちゃったな」 抽選会の後、星稜の山瀬慎之助主将(3年)は思わずそう漏らした。相手は選抜で2度準優勝している強豪。だが、初日に初戦を迎えられることは「チームの調整がしやすい」。初戦への気持ちをこう話した。 「今はわくわくしている。優勝を目指すなら、どんな相手にも勝たないといけない」 昨秋の近畿大会で4強入りした履正社は打線に「一番の自信を持つ」(野口海音主将)チームだ。星稜は最速150キロの速球を投げる奥川恭伸投手(3年)を中心に、ロースコアの勝負を狙う。山瀬主将は「奥川が本調子なら、3点以内に抑えられるはず」。 出場各校の主将たちに優勝候補を尋ねた事前アンケートでは星稜が17票を集めて、1位だった。林和成監督は初戦に向け、「攻守ともに野手が奥川を援護できるかがポイントになる」と話した。(木佐貫将司)

神奈川)障害者の絵画作品、市場での真価を問う展覧会

 障害がある男女2人の絵画50点余りに売値をつけて出品する展覧会「ふたりの作家の物語」が26日~4月2日、横浜市南区のギャラリー而今艸(じこんそう)である。2人が通う「あーとすたじお源」を運営する福家健彦さん(51)は「障害の有無を別にして作品の市場価値を社会に問いたい」と話す。 横浜市南区在住の福家さんは市内で特別支援学校教員として勤めるかたわら、5年前から週末に主として障害者向けのアトリエを開く。いま通うのは大人5人、子ども3人。教育や指導をせず、感性や伸びしろを大切に、そっと手伝うのがモットーだという。 福家さんは小中高とサッカーに打ち込んだが、スポーツ進学は無理だった。2浪して美大で日本画を学んだが、自分の才能に失望し、卒業後は家業の造園・建築業手伝いになった。心機一転、実践空手で頭角を現そうと励むが、大けがで断念……と波乱の人生を送った。 大学で取った教員資格を生かし…

徳島)「甲子園という大海に」選抜出場、富岡西で壮行会

 23日開幕の第91回選抜高校野球大会に初出場する徳島県立富岡西高校の壮行会が11日、阿南市富岡町の同校体育館であった。生徒や教職員約540人が集まり、選手たちの健闘を祈った。 拍手の中、選手とマネジャーが一列で入場。坂本賢哉主将(2年)は「たくさんの方々から応援の言葉を頂いている。恩返しをするために、勝って校歌を歌えるように頑張ってきます」と抱負を述べた。吉田光昭校長は「甲子園という大海に泳ぎ出て、広い世界を見て、のびのびとプレーしてきてほしい」。生徒会副会長の梶本莉加(りか)さん(2年)は「皆さんを誇りに思う。初めての舞台でしっかり自分たちのプレーをしてきて下さい」とエールを送った。 この日は東日本大震災から8年。壮行会の冒頭で全員で黙禱(もくとう)し、犠牲者を追悼した。(佐藤祐生)

滋賀)公示地価、11年連続で下落 二極化傾向は今年も

 国土交通省が19日に発表した県内の公示地価(1月1日時点)は平均で前年を0・2%下回り、2009年から11年連続の下落となった。上昇が続く湖南と、下落続きの湖北・湖西との二極化はより顕著になった。用途別では、住宅地が11年連続で下落。商業地が6年連続、工業地が5年連続でそれぞれ上昇した。 市町別では、平均価格が前年よりも上昇したのは7市町。前年も上がった草津、栗東、守山、野洲の4市に加えて、前年横ばいだった大津市、前年下落した近江八幡市と竜王町が上昇に転じた。ほか12市町は下落した。 住宅地は前年と同じ235の調査地点のうち57地点で上昇した。全体では前年比0・6%減だったが、下落幅は前年(0・7%減)より縮まった。商業地は85地点のうち40地点で上昇。全体では前年比0・6%増となり、上昇幅は前年(0・3%増)を上回った。 住宅地の最高価格は1平方メー…

長崎)自分への挑戦 陸上長距離の広中さん、新天地へ

 自分に挑戦したい――。陸上長距離界のホープ、広中璃梨佳(りりか)さん(18)が長崎商業高校を卒業し、東京の実業団チームに活動の場を移す。新しい門出を前に6日、地元の大村市役所を表敬訪問し、意気込みを語った。 広中さんが本格的に陸上を始めたのは、大村市立桜が原中学に入学後。元陸上長距離選手の母親と走っていたという。3年で出場した全国都道府県対抗女子駅伝で区間賞を獲得。長崎商業高校に進むと、国際大会でも上位入賞を果たした。昨年12月の全国高校駅伝では1区で区間賞。今月8日、日本郵政グループ女子陸上部(東京都小金井市)に入部した。 広中さんは6日、大村市役所での取材に「大村は自分の原点。色々な方々に支えていただいて、今の自分の走りがある」と話した。 これまでで一番心に残る試合は…