地域交通のゆくえ 三江線廃線から 下

◆次は・・・ 木次線 募る危機感◆  「三江線廃止に続いて木次線の存続が危惧される。安易な廃止は過疎化に拍車をかける。乗客増加が至上命題だ」 9月の県議会でこう訴えたのは、木次線沿線の雲南・飯石選挙区選出の山根成二県議だ。これに対し溝口善兵衛知事は「木次線は日常生活を支える大切な役割を担っている。地域住民のみなさんとともに利用促進に取り組んでいく」と答えた。 3月いっぱいで廃線となったJR三江線。次に廃線となるのは……。宍道(松江市)~備後落合(広島県庄原市)の約82キロを結ぶJR木次線沿線の住民には、こんな不安感がつきまとう。 1916年に簸上(ひかみ)鉄道として開業した。かつては木炭や貨物の輸送で地域を支えたものの、車社会になり利用者はみるみる減った。JR西日本によると、2017年度の1日1キロ当たりの平均利用者数を示す輸送密度は204人。三江線の58人(15年度)に比べると多いが、JR西日本がスタートした30年前に比べて、3分の1以下に減っている。 利用者は主に通学や通院に使う人たちだ。バスが走れないようなところも線路は通っていて、欠かせない生活の足になっている。通学で宍道~出雲大東(雲南市)を利用する大東高校3年の島穂佳(ほのか)さん(18)は「親も送り迎えはできないし、木次線がないと通えないです」と言う。10月27日、木次線の出雲大東駅に到着した列車から、アニメのキャラクターなどに仮装した親子100人が降りてきた。「初めてのコスプレです」と、はにかむ大人たちも楽しそうだ。参加者は列車に乗って、出雲大東駅と木次駅を往復し、出雲大東駅で地元のアーティストのコンサートなどを楽しんだ。 ハロウィーンイベントの企画者の一人は南波(なんば)由美子さん(43)。2016年から出雲大東駅の管理運営を委託されている市民団体「つむぎ」の代表者だ。 同駅ではハロウィーンのような多くの人が集まるイベントが1~2カ月に1回開かれている。高齢者のファッションショー「ババコン」や列車内で演…