石川)田の神をねぎらう 奥能登で「あえのこと」

 田で稲を守ってくれた神様を家に迎えて風呂やごちそうでもてなし、今年の収穫に感謝する農耕儀礼「あえのこと」が5日、石川県の奥能登地方各地であった。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されている。 輪島市白米町では、県職員の川口喜仙さん(54)が自宅で執り行った。午前9時ごろ、紋付きはかま姿で近くの田んぼでクワを入れて「田の神様」を出迎えた。 自宅へ到着すると最初に風呂へ入ってもらった後、座敷へ案内。「田んぼを守って頂き、ありがとうございました。おなかいっぱい召し上がって下さい」と述べ、朱塗りのお膳に並んだ刺し身や煮しめ、おはぎなどのごちそうでもてなした。この儀礼の様子を金沢大地域連携推進センターの宇野文夫特任教授の案内で、ドイツやタイなどからの留学生たちが見学した。 神様は来年2月9日に送り出される。川口さんは「今年は天候不順で、神様もご苦労されたと思う。ゆっくりしてもらいたいです」と話した。(井潟克弘)