石川)谷口吉郎の実家跡に拠点施設 金沢市が来夏開館

 東京国立近代美術館(東京都)などの設計で知られる金沢市出身の建築家谷口吉郎氏(1904~79)に関する資料展示を中心に、建築とまちづくりを考える拠点施設の整備を市が進めている。寺町5丁目の吉郎氏の実家跡で7月に着工し、来年夏の開館を予定している。 市議会12月定例会に提出する条例案での名称は「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」。吉郎氏の息子で、鈴木大拙館(本多町3丁目)などを設計した建築家の吉生氏を中心とする親族らが約2千平方メートルの土地を市に寄贈し、地上2階、地下1階の施設の設計を吉生氏の事務所が担った。建設費は約18億円。広縁から水盤を望む2階部分には、吉郎氏が手がけた迎賓館赤坂離宮和風別館「游心亭(ゆうしんてい)」(東京都)の和室と茶室を再現する。 金沢市が68年、全国に先駆けて伝統環境保存条例を制定した背景には、景観保護の必要性を市に示唆した吉郎氏の存在があった。新施設では金沢のまちづくりに吉郎氏が与えた影響を紹介するほか、企画展で建築や都市に関する幅広いテーマを取り上げる。市企画調整課の担当者は「戦災などに遭わず古い町並みが残る金沢ならではの切り口の施設。美しい建築が美しいまちをつくるということを考えられる施設にしたい」と話す。(田中ゑれ奈)