熊本)娯楽を支え100余年 老舗映画館、家族でまもる

 新年を迎え、多くの家族連れが行き交う熊本市中央区新市街。上映開始時間前の映画館「Denkikan(旧・電気館)」の劇場入り口で、窪寺雄敏(かつとし)さん(80)は元日から映画ファンを迎えていた。「昔は年末年始になると行列ができていたものだけど、今はお客さんの数もいつもと変わらないね」と寂しそうに話す。 熊本市中心部で100年以上にわたり娯楽を支えてきた老舗映画館の3代目。すでに息子洋一さん(50)に経営を任せ、一線から退いたが、今もほぼ毎日2、3回、チケットのもぎりに立ち、「きれいな施設で見てもらいたい」と朝早くから劇場の掃除をする。その姿に洋一さんは「この映画館が好きなんでしょうね」とほほえむ。 熊本城からほど近いアーケードに位置する同館は1911年、窪寺喜之助が熊本初の常設館として創業。その孫娘の紀子さん(78)と結婚し映画館を継いだ雄敏さんの代には最大で6館を運営し、他の映画館とともに熊本の映画文化を盛り上げた。「うちが休んだら人々はどこに娯楽を求めればいいのか」と創業からほぼ無休で営業を続けてきたことに胸を張る。 洋一さんは「燃えよドラゴン」…